北風と太陽が教えてくれるビジネスの基本概念

 こんにちは。本宮貴大です。

 この度は記事を閲覧していただき、本当にありがとうございます。

 この記事の前半は、「北風と太陽が教えてくれるビジネスの基本概念」であり、後半は「マーケティングをするうえで大事なポイント」をご紹介する2部構成になっています。
是非、最後まで読んでいただきますようよろしくお願い申しあげます。
ビジネスの基本概念は2つしかありません。「快を得る商品」と「不快を防ぐ商品」です。人の役に立つことを考えていれば、お金は稼ぐことが出来るのです。
皆さんは、北風と太陽というイソップ童話をご存知でしょうか。
 あるとき、北風と太陽が力比べをすることになりました。
それは「旅人が着ている上着をぬがせた方が勝ち」という勝負です。
最初、北風が旅人に力いっぱいに風を吹いて、旅人の上着を吹き飛ばそうとしました。
すると、旅人はその寒さから、上着をしっかりと押さえてしまいました。
結果、北風は旅人の服を脱がせることが出来ませんでした。

次に太陽は、旅人に強い日差しを燦々と照らし続けました。
すると旅人はその暑さから、自分から上着をぬぎ始めました。
結果、太陽は旅人の服を脱がせることに成功したのです。
この勝負は太陽の勝ちとなりました。
という話です。

いろいろな解釈がされているこの話ですが、私はこの話から、ビジネスの基本概念を読み取ることが出来ると思いました。
旅人は北風が吹いたときは、「寒い=(不快を防ぐ)」ために上着を押さえてしまい、逆に「暖かい=(快を得る)」ために上着を脱いだのです。
世の中のビジネスは、大きく分けて2種類しかありません。
「快を得る商品」
「不快を防ぐ商品」
この2種類です。
商品開発や市場開拓をしている方々は是非この2つの概念を覚えておいて欲しいと思います。
人は、この2つの感情を満たしたいときに、お金を払います。

では、「快を得る」と「不快を防ぐ」の概念からいくつかの例を挙げてみたいと思います。
例えば、洗濯機や掃除機は「不快(不便)を防ぐ商品」です。
いちいち手で洗濯したり、ホウキやチリトリで掃除するのは面倒です。なので、洗濯機や掃除機はどの家庭にもあるのです。
テレビなどは「快を得る商品」と言えます。テレビは「面白い」「楽しい」という快楽を与えてくれます。なので、テレビはどの家庭にもあるのです。もっとも、今の時代はそれがパソコンや携帯を通じたYouTubeに変わりつつありますが。

商品は、何もモノだけではありません。
体験も含まれます。
例えば、ディズニーランドは「快を得る商品」です。
「童心に返って楽しい時間を過ごしたい」とか、「子供を楽しませてあげたい」という欲求を満たしてくれるからです。
以下、様々な業界において、快を得る商品と不快を防ぐ商品の具体例をまとめてみましたので、参考にしてください。


マーケティングの基本はお客さんの購買心理を知ること。お客さんは不安・恐怖・面倒を感じたときに購買意欲が沸き上がります。したがって、ビジネスの75%は「不快を防ぐ商品」になるのです。

快を得る商品と不快を防ぐ商品を紹介しましたが、実際のマーケット(市場)の割合としては、快を得る商品は25%程度で、不快を防ぐ商品は75%を占めていると思われます。

マーケティングの基本方針は、「お客さんは何を求めているか」ということですが、キーワードは2つです。
‘感情‘と‘脳の特性‘です。
人間の感情にはどのようなものがあるでしょうか
怒り、不満、心配、悲しみ、恐怖、恥、ねたみ、孤独、ロマン、愛情、安心、満足、希望、喜び、興奮・・・・・・。
いろいろあると思います。
しかし、この中で人を動かす大きなエネルギーを持っている感情は不安・恐怖・苦痛です。
人間は不快な思いを防ぐためなら、たとえ大金でもつぎ込みます。
太古の昔、人間も食物連鎖の中のどこかに組み込まれており、捕食者に食べられる側の人間でした。
そのため、「この世は危ない場所であり、不安だらけなのだ。」と考えてしまいます。
こうした恐怖や不安を回避するときに人間は動くのです。
「あの時、恐ろしい思いをした。二度とあんな思いをしたくないからこの商品を買う。」
「起業したいけど、成功するかどうかわからないからコンサルタントに相談したい。」
人間は不快な環境に置かれたとき、あるいは何かを苦痛に感じるとき、その感情を防ぐために行動をします。
そこにビジネスチャンスがあるのです。
また、‘脳の特性‘ですが、人間の脳は非常に面倒くさがりです。
全ての人には、「手抜きをしたい」という願望があります。
毎日、掃除機をかけるのは面倒です。そんなとき、ボタン1つであなたが寝ている間に掃除を済ませてくれる。
そんな商品があったら欲しいと思うのです。

ビジネスやマーケティングにおいて感情を利用するのは、もはや常識です。
どんなに変化の速い現代でも、人間そのものは、太古の昔から何も変わっていません。
つまり、感情を勉強するということは、どんな時代が来ても変わることのない普遍的なマーケティング方法を勉強することになるのです。

参考文献
脳内物質仕事術 樺沢紫苑=著 マガジンハウス
売れないモノの9割は売れるモノに変えられる 佐藤昌弘=著 アスコム